不動産仲介業での独立や事業拡大を考えたとき、一度は耳にしたことがある名前、それが「センチュリー21」ではないでしょうか。
黄色いジャケットと世界規模のネットワークで知られるこのブランドは、日本国内でも圧倒的な店舗数を誇っています。
しかし、知名度が高いからといって、すべての方にとって最適な選択肢であるとは限りません。
加盟にはどのような条件が必要なのか、どのようなサポートが受けられるのか、そして実際に収益を上げることはできるのか。
これらを冷静に分析し、ご自身のビジョンと照らし合わせることが大切です。
本記事では、センチュリー21のフランチャイズシステムについて、公開されているデータや特徴をもとに詳しく紐解いていきます。
これから不動産業界で挑戦しようと考えている皆様の、判断の一助となれば幸いです。
なお、本記事における数値や条件は2025年9月時点の情報や、一般的な公開情報を基に構成しています。
具体的な契約条件は地域や時期によって異なる場合がありますので、最終的には本部への確認が必要であることを念頭に置いて読み進めてくださいね。
センチュリー21のブランド力と運営会社の信頼性
まずはじめに、センチュリー21というブランドがどのような背景を持ち、日本国内でどのような立ち位置にあるのかを確認していきましょう。
フランチャイズに加盟するということは、そのブランドの看板を背負うということです。
運営母体の安定性や理念を理解することは、長期的なビジネスパートナーを選ぶ上で欠かせないプロセスなんですよね。
世界最大級の不動産ネットワークの日本展開
センチュリー21は、アメリカで誕生した不動産仲介フランチャイズ店舗数No.1のブランドです。
日本においては「株式会社センチュリー21・ジャパン」が運営を行っており、1983年の設立以来、長きにわたって日本の不動産市場を牽引してきました。
2025年9月末時点で、日本国内の加盟店舗数は943店舗に達しています。
これだけの数を展開している不動産フランチャイズは国内でも有数であり、街を歩けば必ずと言っていいほど目にするブランド力は、集客において非常に大きなアドバンテージになります。
また、特徴的なのは「直営店を持たない」という方針です。
すべての店舗が独立・自営の加盟店によって運営されています。
これは本部が加盟店の支援に全力を注ぐ体制であることの証明でもあり、加盟店同士がライバルでありながらも、同じブランドを盛り上げる仲間としての意識を持ちやすい環境と言えるでしょう。
運営会社「株式会社センチュリー21・ジャパン」の企業情報
運営本部である株式会社センチュリー21・ジャパンは、ジャスダック(現スタンダード市場)に上場している企業です。
上場企業としての透明性と、安定した経営基盤を持っていることは、加盟検討者にとって大きな安心材料になりますよね。
| 会社名 | 株式会社センチュリー21・ジャパン |
| 代表者 | 代表取締役社長 高坂 勇介 |
| 本社所在地 | 東京都港区北青山2-12-16 北青山吉川ビル7F |
| 設立 | 1983年10月21日 |
| 資本金 | 517,750,000円 |
| 従業員数 | 89名 |
| 事業内容 | 不動産仲介業のフランチャイズ本部運営 |
企業理念として「厳しい行動基準と高い倫理観」を掲げている点も見逃せません。
不動産業界は、時として情報の非対称性や強引な営業などが問題視されることがありますが、センチュリー21は業界のリーダーとして、信頼されるプロフェッショナルであることを強く求めています。
「住まいを想う仕事、人生を輝かせる使命」というブランド理念は、単に物件を右から左へ流すだけではなく、顧客の人生に寄り添う姿勢を表しています。
加盟店に対しても、こうした高い志を持ってビジネスに取り組むことが期待されているのです。
「信頼度地域No.1」を目指す戦略
センチュリー21が目指しているのは、単なる店舗数の拡大だけではありません。
それぞれの地域において、最も信頼される不動産会社になることを目標としています。
そのために、本部は加盟店に対して多角的な支援を行っています。
具体的には、加盟店の募集活動だけでなく、教育・研修制度の充実、最新の情報システムの提供、そして全国規模での共同広告などが挙げられます。
これらはすべて、個人の不動産会社が単独で行うには限界があるものばかりです。
スケールメリットを活かしたバックアップ体制があるからこそ、加盟店は目の前のお客様へのサービスに集中できるわけですね。
地域に根ざしながら、世界基準のサービスを提供する。
このバランスの良さが、センチュリー21が選ばれ続ける理由の一つなのかもしれません。
センチュリー21加盟における3つの大きな特徴
フランチャイズに加盟するメリットは、独自で開業する場合の苦労を、本部の仕組みで解決できる点にあります。
では、センチュリー21には具体的にどのような強みがあるのでしょうか。
ここでは、特に際立っている3つの特徴について詳しくご説明します。
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画像の説明:センチュリー21の研修風景のイメージ。明るく近代的なセミナールームで、スーツを着た男女の受講者たちが熱心に講義を受けている。前方のスクリーンには不動産市場のグラフや「CENTURY 21」のロゴが映し出されている。講師は指し棒を持って解説しており、プロフェッショナルな育成環境が伝わる構図。
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特徴①:圧倒的なブランド力と共同広告による集客支援
不動産業を開業して最初に直面する壁は「集客」です。
どんなに良い物件情報を持っていても、お客様に来店していただけなければビジネスは始まりません。
無名の不動産屋が信頼を得るには長い年月がかかりますが、センチュリー21の看板があれば、オープン初日から「あの大手なら安心だ」という信頼を得ることができます。
センチュリー21では、加盟店が拠出する共同広告費を原資として、テレビCMやインターネット広告など、全国規模のプロモーションを展開しています。
一店舗では到底捻出できない予算規模で広告を打つことができるのは、スケールメリットの最大の恩恵と言えるでしょう。
この「負担分散」の仕組みにより、各店舗は比較的抑えられたコストで、大手並みの露出効果を享受できます。
特に不動産仲介は「信頼」が商品を左右するビジネスですから、誰もが知っているブランドであることは、成約率にも大きく影響してくるんですよね。
特徴②:未経験者もプロに育てる体系的な研修・教育制度
「不動産業界は経験がないと難しいのではないか」と不安に思う方も多いかもしれません。
しかし、センチュリー21は異業種からの参入も積極的に受け入れており、その背景には強力な教育システムがあります。
本部が提供する研修メニューは、売買・賃貸の実務からマネジメントまで、約30種類にも及びます。
新人営業マン向けの基礎研修はもちろん、店舗経営者向けの経営戦略セミナーなど、段階に応じた学びの場が用意されているのです。
- 新人向け:不動産の基礎知識、接客マナー、契約実務
- 中堅向け:高度な営業手法、クレーム対応、法律知識
- 経営者向け:組織マネジメント、採用戦略、財務管理
さらに、最近ではオンライン研修やeラーニングの仕組みも充実しています。
店舗にいながら隙間時間で学習できる環境が整っているため、忙しい業務の合間を縫ってスタッフのスキルアップを図ることが可能です。
「人を育てる仕組み」が完成されていることは、人材採用の面でも大きな武器になります。
特徴③:全国ネットワークを活かした顧客紹介・協業機会
不動産のニーズは、ひとつの地域だけで完結するとは限りません。
「転勤で東京から大阪へ引っ越したい」「地方の実家を売却したい」といった広域な相談も頻繁に発生します。
単独の不動産会社では対応しきれないこうした案件も、センチュリー21なら全国の加盟店ネットワークで解決できます。
加盟店同士の連携は非常に活発で、エリアを越えた顧客紹介(リファーラル)の仕組みが整っています。
自分が対応できないエリアの案件を他の加盟店に紹介することで、紹介料としての収益を得たり、逆に他店からのお客様を受け入れたりすることができるのです。
また、本部が提携している大手法人からの社宅代行や転勤サポートなどの案件提供が行われることもあります。
個人の不動産会社では接点を持つことが難しい大企業との取引機会が得られるのも、このネットワークに参加する大きな意義と言えますね。
募集要項・契約条件と開業シミュレーション
ブランドの魅力がわかったところで、次は現実的な数字のお話に移りましょう。
フランチャイズ加盟には、当然ながら初期投資やランニングコストが発生します。
ここでは、加盟に必要な費用や契約の条件について、具体的に見ていきます。
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画像の説明:開業シミュレーションのイメージ。デスクの上には電卓、建築図面、そして金銭のアイコンやグラフが描かれた書類が置かれている。日本人ビジネスマンの手が電卓を操作しており、真剣に収支計画を立てている様子。背景は少しぼかしたオフィス空間で、現実的なビジネス計画の重要性を表現。
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加盟に向けた基本条件と契約内容
まず前提として、センチュリー21の加盟対象は主に「法人・事業者」となります。
これから会社を設立する個人の方も対象になりますが、ビジネスとして組織的に取り組む姿勢が求められます。
この5年という期間は、地域に根付いて信頼を築くために必要な最低限の時間とも言えます。
更新時には更新料(新規加盟金の10%程度)が発生しますが、長く続ければ続けるほど、地域での認知度が高まり、経営は安定していく傾向にあります。
初期費用とランニングコストの目安
加盟にあたって必要となる費用は、出店する地域や規模によって変動しますが、大まかな目安を押さえておきましょう。
初期費用(加盟時)
加盟金と広告基金一時金を合わせて、168万円〜336万円(税抜)程度が設定されています。
金額に幅があるのは、商圏の人口規模や市場性によってランク分けされているためです。
月額費用(ランニングコスト)
毎月発生する費用としては、主に以下の3つがあります。
- サービスフィー(ロイヤリティ):売上に応じた定率
- 制度広告費(共同広告費):定額または売上に応じた額
- 地域連絡会費:6,000円〜20,000円程度
これらを合計した最低ラインとして、月額11万円(税抜)〜の設定があります。
特筆すべきは、ロイヤリティが定額ではなく、手数料売上に応じた定率で算出される点です。
売上が上がれば本部に支払う額も増えますが、苦しい時期は負担が抑えられるという側面もあり、合理的と言えるでしょう。
開業シミュレーション:小規模店舗のケース
では、実際に開業するにはトータルでどのくらいの資金を用意すればよいのでしょうか。
ここでは、加盟金だけでなく、物件取得や免許申請にかかる費用も含めた、現実的なスタートアップ資金を試算してみます。
(※あくまで概算のモデルケースです)
| 項目 | 概算費用(税抜) | 備考 |
| FC加盟初期費用 | 200万円〜 | 加盟金・広告基金等 |
| 宅建業免許申請 | 3.3万円〜9万円 | 知事免許か大臣免許かで異なる |
| 営業保証金関連 | 190万円前後 | 保証協会入会金・弁済業務保証金分担金 |
| 物件取得・内装費 | 200万円〜500万円 | 立地や広さ、現状により大きく変動 |
| 什器・備品・システム | 100万円〜 | PC、コピー機、看板設置、専用システム等 |
| 求人・広告費 | 50万円〜 | オープニングスタッフ採用、折込チラシ等 |
| 合計目安 | 約750万円〜1,000万円 | 運転資金は別途必要 |
このように、店舗を構えてスタートラインに立つまでには、およそ1,000万円前後の資金が必要になると見込んでおくのが無難です。
さらに、売上が安定するまでの数ヶ月分の運転資金(人件費、家賃など)を手元に残しておく必要があります。
収益モデルの考え方
不動産仲介業の収益構造はシンプルです。
基本的には「仲介手数料」が売上の柱となります。
月間粗利 = (仲介手数料売上) - (各種経費 + ロイヤリティ等)
例えば、3,000万円の中古住宅の売買仲介を1件成約させたとします。
仲介手数料(3%+6万円+税)は約105万円になります。
月に2〜3件の成約があれば、小規模な店舗であれば十分に黒字化が見込める計算になります。
もちろん、簡単なことではありませんが、センチュリー21の看板による集客力と、研修で鍛えた営業力があれば、決して不可能な数字ではありません。
また、賃貸管理やリフォーム紹介など、ストック収入を積み上げていくことで、経営をより盤石にすることができます。
センチュリー21加盟で未来を切り拓くために
ここまで、センチュリー21のフランチャイズについて詳しく見てきました。
最後に、このビジネスモデルがどのような人に向いているのか、そして成功のために何が必要かをお伝えして締めくくりたいと思います。
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画像の説明:ビジネスの成功とパートナーシップを象徴する画像。センチュリー21のジャケットを着たスタッフと、私服の顧客(日本人)が明るい表情で握手をしている。背景には新築の住宅やマンションのイメージが重なり、希望に満ちた未来を表現。光が差し込むような明るいトーンで仕上げる。
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このフランチャイズに向いている人・向いていない人
センチュリー21への加盟が成功への近道になるのは、以下のようなタイプの方です。
- ブランド力を活用して、早期に事業を軌道に乗せたい方
- 組織として人材育成に力を入れ、多店舗展開を目指したい方
- ルールや行動基準を守り、高い倫理観を持ってビジネスができる方
一方で、「看板さえ借りれば、あとは自分の好き勝手にやりたい」という方には向いていません。
フランチャイズはあくまで共同体であり、ブランドイメージを損なうような独自ルールでの運営は許されないからです。
「守るべきルール」があるからこそ「守られる信頼」があるということを理解できる方であれば、大きな恩恵を受けられるはずです。
「看板」はあくまで道具、使うのは「あなた」
センチュリー21というブランドは、間違いなく強力な武器です。
しかし、どんなに優れた道具も、使う人次第でその効果は変わります。
看板があるからお客様が来てくれるのではなく、看板をきっかけに来てくれたお客様に対して、期待以上のサービスを提供するからこそ、ビジネスは成立します。
研修制度やシステムを使い倒し、地域の特性に合わせて汗をかく。
その努力の先に、地域No.1という称号が待っています。
本部も担当者(スーパーバイザー)を通じて全力でサポートしてくれますが、最終的に経営の舵を取るのはオーナーであるあなた自身なんですよね。
まずは資料請求で詳細な情報を
不動産フランチャイズへの加盟は、人生における大きな決断です。
ネット上の情報だけで判断せず、実際に資料を取り寄せ、説明会に参加して、担当者の熱量や本部の雰囲気を肌で感じてみてください。
ご自身のエリアで出店が可能かどうかも含め、まずは正確な情報を集めることが第一歩です。
センチュリー21という巨大な船に乗り込み、新しい航海に出る準備を始めてみてはいかがでしょうか。
あなたの挑戦が、地域の人々の暮らしを豊かにする素晴らしい未来につながることを願っています。
